この講座では、美術に関連の深い「黄金分割」や「黄金比」の秘密とその数理を解明することを目標とします。美術の世界は「数学」からは最も遠い世界のように思われていますが、黄金分割や黄金比の奥には、「フィボナッチ数」という数が隠れていて、これが「美」を創り出しているのです。「黄金分割」という言葉は19世紀にドイツで作られましたが、線分を「黄金比」で分割する「黄金分割」そのものの美しさは古代ギリシアで発見され、芸術家たちの間で連綿として用いられてきました。フィボナッチ数が、美を追求する芸術家が発見した黄金分割と深いところでつながっているのは面白いことですね。ケプラーも「幾何学は二つの偉大な宝を持っている。一つはピュタゴラスの定理、もう一つは線分を外中比に分割すること(黄金分割)。前者は 金に譬えられ、後者は高貴な宝石と名付けられよう。」と述べています。この高貴な宝石と数学との不思議な関係を追ってみます。
[日時] 2019年3月16日(土) 14:30~16:00
[会場] 10階 探究実験室
[対象] 高校生~大人(小・中学生で興味のある方も参加できます)
[定員] 40名
[申込] 事前に電話(043‐308‐0511)でお申込みください。
※申込後にキャンセルされる場合には、お手数ですがご連絡をお願い致します。
[講師] 中村 滋(東京海洋大学名誉教授)
1943年生まれ。67年東京大学大学院理学系研究科修士課程修了。東京商船大学(現東京海洋大学)海洋工学部教授を勤め、2006年、定年退官。東京海洋大学名誉教授。元学習院大学非常勤講師。専門は数論。日本フィボナッチ協会副代表。千葉市科学館「大人が楽しむ科学教室2017」では、「若くして死んだ天才数学者たち」シリーズとして「パスカル」「リーマン」「アーベルとガロワ」の4人物を題材に、数学史の講座を3回開催した。
開催時間 | 2019年03月16日2:30 PM - 4:00 PM |
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講座・講演