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氷河は日本にもある?

氷河は厚い氷の塊で、“河”という字のとおり、重力によりゆっくりと流れています。現代の日本は温かく、夏に残る雪や氷はわずかであり、氷河は現存しないとされてきました。ところが、2012年、氷河が日本に存在していることが明らかになったのです。

富山県の立山連峰は、標高約3000mの山が連なる世界屈指の豪雪地帯であり、夏でも分厚い氷が残っています。しかし、過酷な環境にあるため、かつては精密な調査が困難でした。そこで、新たにGPSや小型のセンサーを使って調査したところ、この氷は1ヵ月に数cm~30cmの速さで流れる“氷河”であることが判明したのです。これをきっかけに調査が本格化し、2020年現在、富山県・長野県で7つの氷河が確認されています。今後も新たな氷河が発見されるかもしれませんね。

 

唐松沢氷河を囲む山々。
唐松沢氷河は2019年に氷河であることが明らかになった。
山に積もった雪の一部は、谷底にある氷河へと落ちていく。

 

参考文献:飯田 肇. (2020). 発見!日本の氷河を歩いてみた─北アルプス「内蔵助氷河」で見た水循環の原初. 水の文化, 64, 26-31. http://www.mizu.gr.jp/kikanshi/no64/index.html 、 飯田 肇. (2020). 日本の現存氷河の概要. 登山研修, 35, 16-23. https://www.jpnsport.go.jp/tozanken/tabid/198/Default.aspx

 

執筆者:あきもと

2021.01.05